彗星(Comet)(ほうき星)
  
  彗星とはその昔、夜空に突然あらわれて長い尾を引き、数日間にわたって地球に近づく「悪魔の星」とされていまし

 た。彗星の正体は、泥まみれの氷でできた「汚れた雪だるま」状の天体です。太陽系の遥か外側に「オールトの雲」と

 呼ばれる彗星の巣があるとされています。そこから何らかの原因で太陽の重力に捕まり、太陽に近づいてくると氷が溶

 け出し、核(本体)の周りにコマと呼ばれるぼんやりとしたガスが取り巻き、徐々に尾が伸びていきます。

 主に尾は2種類あり、移動する反対方向にあらわれる「ダストテイル」と、太陽の反対方向にあらわれる「イオンテイ

 ル」です。ダストテイルは赤っぽく、イオンテイルは青っぽく見えます。彗星が太陽の周りをまわりだすことを「周期

 彗星」といい、ほかには2度と帰ってこない彗星があり、これは「非周期彗星」といいます。一周するのに数年の彗星

 から数万年という彗星までいろいろありますが、有名なハレー彗星は76年周期で太陽に近づきます。

 彗星本体の大きさは主に数kmが多く、とても小さい物から数十kmまで見つかっています。基本的には大きい彗星が

 明るいのですが、地球との距離で見かけの明るさは変わります。肉眼で見える程まで明るくなる彗星は珍しく「肉眼彗

 星」と呼ばれています。近年では百武彗星やヘイル・ポップ彗星などは、大阪市内でも肉眼で観測できました。

 彗星は太陽に近づいた時にたくさんの塵を撒き散らしていきます。その塵に地球が近づくと地上に降り注ぎ、流れ星と

 して観測されます。

 太古の昔、原始の地球にたくさんの彗星が衝突したとされています。その際に、海を作り生命の源となる物質を運んで

 きたとする考え方が有力視されています。



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