こと座(琴座) Lyra(リュラ)  見やすい季節 夏


 撮影日:2014年05月29日 01h25m31s 

 赤道義:ビクセンGPD

 カメラ:キャノン 5D-MarkU(ISO800)

 レンズ:ニコン28mmF1.4(絞り2.8)

 フィルター:ケンコーMC PROソフトン(A)

 露出:5分×6枚
 総露出:30分

 撮影地:奈良県大塔町龍神天体観測所第3観測所

 撮影日:2013年05月06日 01h19m40s 

 赤道義:ビクセンGPD

 カメラ:キャノン 5D-MarkU(ISO800)

 レンズ:ニコン28mmF1.4(絞り2.8)

 フィルター:なし

 露出:5分×5枚
 総露出:25分

 撮影地:奈良県大塔町龍神天体観測所第3観測所
  撮影日:2013年05月06日 01h19m40s 

 赤道義:ビクセンGPD

 カメラ:キャノン 5D-MarkU(ISO800)

 レンズ:ニコン28mmF1.4(絞り2.8)

 フィルター:なし

 露出:5分×5枚
 総露出:25分

 撮影地:奈良県大塔町龍神天体観測所第3観測所
 こと座の星座絵

 ステラナビゲータVer.10/(株)アストロアーツ
 の星座絵をコピーにて使用しています。
 こと座の星座境界線+明るい星雲星団

 ステラナビゲータVer.10/(株)アストロアーツ
 の星座絵をコピーにて使用しています。
 M56

 撮影日:年月日
         hms 

 望遠鏡:

 カメラ:ニコンF3

 フィルム:

 露出:

 撮影地:
 M57 ドーナツ星雲

 撮影日:2011年04月10日 03h32m04s 

 望遠鏡:セレストロン C-14EXPT
    (アランジー使用 fl=2270mm)

 カメラ:SBIG ST-10XME C2

 フィルター:ASTRODON E-Series LRGB

 露出:L:5分×8枚 R:5分×3枚 G:5分×3枚 B:5分×3枚
 総露出:85分

 撮影地:奈良県大塔町龍神天体観測所

  こと座の見つけ方

  こと座は夏の星座ですが、ほぼ一年中見ることができます。その中でも8月下旬には、夜8時ごろに天頂付近に見えます。

 1ヶ月に2時間づつづれるので、7月下旬は夜10時ごろに南中します。

 一等星ベガ(織姫星)が青白く輝いていますので、見つけやすいと思います。ベガの南側に小さな平行四辺形があり、日本の琴ではなく西洋の

 竪琴が星座にになっているため、この四辺形が玄の部分になります。

 その平行四辺形の先に惑星状星雲「M57ドーナツ星雲」があります。小さい望遠鏡でも見つけやすい天体ですが、小さいので星とまちがいやすい

 です。

 ベガは七夕伝説の織姫星になります。明るさは一等星とありますが、正確には0.6等星で一等星よりも1.5倍くらい明るい天体です。

 距離は25光年とされ、25年前の光がやっと地球に到達しています。大きさも、太陽の2.7倍もあります。

 ベガの語源はアラビア語で、アン=ナスル・アル=ワーキ(落ちるハゲワシ)とされます。ベガの両側にある2つの星で三角形ができ、ワシが羽を

 折りたたんで獲物をねらって急降下している姿に見立てています。しかしギリシャにアラビア語は伝わらず、現在のベガ(Vega)となりました。

 ベガは夏の大三角のひとつ。ベガ(こと座)・アルタイル(わし座)・デネブ(はくちょう座)の一等星を結んでできる三角形は、夏の星座を探す

 目印にもなりますので、ぜひ夏のよく晴れた夜に探してみてください。


  七夕伝説(概略)
  
  七夕伝説には諸説ありますが一般的な物語は、

 むかしむかし、天空には「天帝(てんてい)」という一番えらい神様がいました。天帝には娘がおり、「織女(しょくじょ)」と言います。

 織女は、はた織りがたいへん上手で、神様達も大喜びです。しかし、天帝は仕事ばかりしている娘を気遣い、天の川の東側に真面目に牛の世話

 をする「牽牛(けんぎゅう)」と引き合わせようと考えました。

 やがて2人は結婚して幸せに暮らしました。しかし、2人は川岸でおしゃべりばかりをして、仕事をしなくなりました。やがて、神様達の服は

 ぼろぼろになり、牛達はやせ細り病気になってしまいました。天帝は2人に仕事をするように言いますが、から返事ばかり。

 ついに天帝は怒り、2人を天の川の両側に引き離しました。今度は引き離された悲しみで、仕事もせずに泣いてばかり。困り果てた天帝は、ち

 ゃんと仕事をするならば、一年に一度、7月7日に逢わせてやると約束しました。

 7月7日の日に鷺(さぎ)とうい鳥がたくさん飛んで来て、天の川の上に羽を広げて橋を作り、その上で2人は逢うことができたそうです。

 この鷺がはくちょう座とされています。しかし、7月7日の夜が雨ならば、天の川の水かさが増して、2人は逢うことができないと言われていま

 す。

 星の世界では、織女は織姫星(おりひめぼし)とされ、こと座の一等星ベガという星になります。牽牛は彦星(ひこぼし)とされ、わし座のアル

 タイルという一等星になります。

 七夕の7月7日は旧暦のことで、現在の暦では7月下旬〜8月下旬ころになります。2013年は 8月13日で、2014年は8月2日です。

 都会では天の川は見えないかもしれませんが、織姫星と彦星は見つけ易いので、一度見つけてみてください。

 因みに、天の川は春の方向だけ南半球でしか見えませんので、夏も空の暗い晴れた夜ならばいつでも見ることができます。7月7日だけしか見え

 ないということではありません。暗い空で天の川も見てください。(天の川についてを参照)


  こと座のギリシャ神話(諸説あり)
  
  こと座の琴が作られたお話はヘルメスの誕生から

 大神ゼウスは伝令の神を作るために、正妻ヘーラの目を盗んで、アトラスの娘プレイアデス7人姉妹の長女マイアと密会して、ペロポネソス半島アルカ

 ディア地方のキュレーネー山の洞窟でヘルメスを産みました。ヘルメスには伝令の能力に加え、ゼウスがヘーラの目を盗んだことから泥棒の、ヘーラを

 騙し続けたことから嘘の能力を身に付けました。水星はギリシャではヘルメスの星とされています。

 ヘルメスは早朝に産まれ、お昼にはゆりかごを抜け出して、芸術や羊飼いの神アポロンの飼っている牡牛を50頭、牛を後ろ向きに歩かせて偽装して、証

 拠も残さずに盗んでしまいました。アポロンは牛が居なくなっていることに気付きましたが、訳が分かりませんでした。そこでアポロンは神託を求め、ヘ

 ルメスが犯人であることが分かりました。怒ったアポロンがヘルメスを問いただしますが、「生まれたばかりの私ができる訳がないでしょ」と嘘を言い、

 そしてアポロンは父親ゼウスの元へ連れて行き、牛を盗んだと訴えました。ヘルメスはゼウスにも「嘘は付いていない」と言い、ゼウスが与えた能力で嘘

 を付いていることを見抜いていました。その上でヘルメスに牛を返すように言いました。渋々アポロンに牛を返しますが、アポロンは収まりがつきません。

 ある日、ヘルメスが亀を捕まえて、甲羅と羊(アポロンの牛とも)の腸と使って竪琴を作りました。その竪琴を奏でていると、それを聴いたアポロンはそ

 の竪琴を欲しくなり、牛泥棒の謝罪に譲ってくれと言いました。そして、竪琴をアポロンに譲りました。また、葦笛を作って吹いていると、それも欲しく

 なったアポロンは、黄金の牛追い棒と交換して欲しいと言いました。そして、アポロンから交換して貰った牛追い棒が、後に伝令の杖「ケーリュケイオン」

 として、ヘルメスの杖となり、短い棒に2匹の蛇が巻きついた形と言われるようになりました。


 芸術と羊飼いの神アポロンと文芸の女神カリオペとの間にオルフェウスという息子がいました。オルフェウスはアポロンから竪琴を譲り受け、ギリシャ1

 の竪琴の名手となりました。オルフェウスの奏でる音色は、人はもちろん動物や川の流れまでもが立ち止まって聞き入るほどでした。

 オルフェウスはニンフ(精霊)であるエウリュディケと結婚しますが、妻が庭を歩いていると、足を毒蛇に噛まれて死んでしまいます。最愛の妻が死んで

 しまい、生きる気力が無くなってしまいました。それを見たアポロンは、冥王への道先案内をも司るヘルメスにお願いして、ヘルメスの助力もあり、悲し

 んでいたオルフェウスは冥府のハデスのところに行こうと決意します。

 冥府に入ったオルフェウスはステュクス(ギリシャ版三途の川)の渡り守カロンにその先に行きたいと願うが、死者しか渡ることができないと断ります。

 オルフェウスは竪琴を奏で、妻の思いを歌にして聞かせました。カロンは涙を流して向こう岸に渡らせてくれました。

 次に地獄の番犬ケルベロスが門を守っています。ケルベロスは3つの頭を持つ不眠の巨大な黒犬でしたが、オルフェウスの奏でる音楽に寝てしまいました。

 ついに冥王ハデスの玉座の前までたどり着くことができました。

 オルフェウスは、ハデスに妻を帰してほしいと嘆願しますが、ハデスは断ります。竪琴の音色を聴かせても首を縦にはふりません。しかし、隣りにいたハ

 デスの妃ペルセポネ(おとめ座の神話参照)が妻に対する思いに感銘し、涙を流しながらハデスを説得しました。さすがのハデスも条件付きで了承するし

 かありませんでした。

 その条件とは、「妻と共に帰るがよい。ただし、冥府を出るまでは決して後ろを振り返ってはならぬ。」ということでした。オルフェウスは大変喜びまし

 た。妻エウリュディケとまた一緒にいられるという思いでいっぱいです。オルフェウスは来た道をひたすらヘルメスの助力に助けられながら歩きつづけま

 した。後ろに妻がいてると信じて。しかし、だんだんとハデスが僕を追い返すために嘘をついているのではないかと疑心暗鬼になっていき、出口が見えて

 きているところまで帰って来ているのに、ふと後ろを振り返ってしまいます。オルフェウスのすぐ後ろに妻は付いて来ていましたが、一瞬にして冥府に吸

 い込まれていきました。後戻りしてカロンに頼み、竪琴を奏でますが、もう渡してくれません。

 地上に戻ったオルフェウスは、生きる希望を無くしてヨロヨロと歩いていました。道で出会ったワインと泥酔の神ディオニュソスたちが楽しそうに騒いで

 いるので、ディオニュソスよりもアポロンが偉大な神だと言ってしまいました。怒ったディオニュソスは、従えていた酒に酔った女(マイナス)達にオル

 フェウスを惨殺させました。

 殺されたオルフェウスの首と竪琴は川に捨てられ、レスヴォス島(エーゲ海)に流れ着いたとされています。死者となったオルフェウスは妻と会える

 ことができたのでしょうか?。

 私の考えですが、残虐と蘇生も司るアポロンは芸術の神であることや、竪琴を作ったヘルメスは嘘や旅なども司る神で、オルフェウスの心にハデスの約束

 が嘘であると疑心暗鬼の思いにさせたなど、神々の性質を使って作った物語だと思いました。

 その他には、ステュムパーリデスの鳥(ヘラクレスの12の功業の6番目)が、こと座のベガの語源(落ちるハゲワシ)と、わし座のアルタイルの語源

 (飛ぶハゲワシ)のとなったハゲワシだと言われています。個人的には、はくちょう座も?と思ってしまいますが。(ヘラクレス座の神話参照)


 また、オルフェウスはこの物語の前に、アルゴ船の冒険にも参加しています。(アルゴ船座の神話参照)

 



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