水星(Mercury) 第1番惑星 |
水星の直径(4879km)は地球の半分もなく、太陽系で最も小さい惑星です。木星や土星には水星よりも大 きな衛星もあり、木星の衛星「ガニメデ」の直径5262km、土星の衛星「タイタン」は5151kmです。 水星自体が小さく太陽に近いことで、地表には大気がほとんどありません。また地球でいう1日が176日で、昼 間だけでも88日あり、昼と夜の温度差が激しく、最低気温−183℃・最高気温427℃にも及びます。 ギリシャ神話ではゼウス(木星)の子供で、水星はヘルメス(エルメス)の化身といわれます。泥棒と嘘、商売 や旅、夢や眠りの神と多面ですが、英雄の魂を冥界に導く死神の一面も持ちます。 また、明け方に見える水星をアポロンとみることもあります。アポロンもゼウスの子供で、竪琴や弓矢の神です。 マーキュリーはローマ神話のメルクリウスが語源と言われていて、ヘルメスと同一視されています。 また、水銀は自由に動く金属ということから、旅の神ヘルメスを連想して、英語ではMercury(マーキュリー) と言います。 |
ヘルメスの神話(諸説あり) |
ヘルメスの神話でヘルメス誕生のお話から。(こと座の神話参照) 大神ゼウスは伝令の神を作るために、正妻ヘーラの目を盗んで、アトラスの娘プレイアデス7人姉妹の長女マイアと密会して、ペロポネソス半島アルカ ディア地方のキュレーネー山の洞窟でヘルメスを産みました。ヘルメスには伝令の能力に加え、ゼウスがヘーラの目を盗んだことから泥棒の、ヘーラを 騙し続けたことから嘘の能力を身に付けました。 ヘルメスは早朝に産まれ、お昼にはゆりかごを抜け出して、芸術や羊飼いの神アポロンの飼っている牡牛を50頭、牛を後ろ向きに歩かせて偽装して、証 拠も残さずに盗んでしまいました。アポロンは牛が居なくなっていることに気付きましたが、訳が分かりませんでした。そこでアポロンは神託を求め、ヘ ルメスが犯人であることが分かりました。怒ったアポロンがヘルメスを問いただしますが、「生まれたばかりの私ができる訳がないでしょ」と嘘を言い、 そしてアポロンは父親ゼウスの元へ連れて行き、牛を盗んだと訴えました。ヘルメスはゼウスにも「嘘は付いていない」と言い、ゼウスが与えた能力で嘘 を付いていることを見抜いていました。その上でヘルメスに牛を返すように言いました。渋々アポロンに牛を返しますが、アポロンは収まりがつきません。 ある日、ヘルメスが亀を捕まえて、甲羅と羊(アポロンの牛とも)の腸と使って竪琴を作りました。その竪琴を奏でていると、それを聴いたアポロンはそ の竪琴を欲しくなり、牛泥棒の謝罪に譲ってくれと言いました。そして、竪琴をアポロンに譲りました。また、葦笛を作って吹いていると、それも欲しく なったアポロンは、黄金の牛追い棒と交換して欲しいと言いました。そして、アポロンから交換して貰った牛追い棒が、後に伝令の杖「ケーリュケイオン」 として、ヘルメスの杖となり、短い棒に2匹の蛇が巻きついた形と言われるようになりました。 ゼウスは、正妻ヘーラの母乳を飲ませるのに、幼少の軍神アレスと入れ替えてヘルメスに飲ませていましたが、ヘーラにばれてしまいました。が、ヘーラ にも愛情が湧き、息子のように可愛がるようになりました。 ヘルメスは恋多き神で、ダイダリオンの娘キオネは大変美しく、伝令の神ヘルメスと軍神アポロンは虜になりました。ヘルメスは伝令の杖「ケーリュケイ オン」を使って眠らせ交わり、軍神アレスは老婆に化けて交わりました。キオネはヘルメスとの間にアウトリュコス、アポロンとの間にピラムモンを生み ました。後にキオネは、アポロンの妹で狩猟の女神アルテミスよりも美しいと言ったので、アルテミスの怒りに触れて、侮辱した舌を矢で射抜いて殺して しまいました。それを知った父ダイダリオンは、娘の火葬の中に飛び込もうとしましたが人々に止められて、パルナッソス山から飛び降りて死んでしまい ました。そしてアポロンによってハイタカと言う獰猛な鳥に変えられたと言うことです。 子供のアウトリュコスは成人してアムピテアと結婚し、アンティクレイア(トロイア戦争の英雄オデュッセウスの母)とポリュメーデ(アルゴ船の冒険の イアソンの母)の2人の娘をもうけます。アウトリュコスはヘラクレスの12の功業の後のヘラクレスとの神話があります。ヘラクレスの神話参照。 また、美の女神アフロディーテにも恋をしてしまいますが、相手にされませんでした。ヘルメスはゼウスにお願いして鷲を借りて、その鷲にアフロディー テの大切にしている黄金のサンダルを盗ませました。そして、ヘルメスは黄金のサンダルを返す条件に1夜過ごすことをお願いしました。2人の間には ヘルマプロディトスとプリアポスが生まれました。 また、ゼウスは正妻ヘーラの目を盗んで、ヘーラの神官イオと交わりました。それに気が付いたヘーラにばれないように、イオを白い牡牛に変えて誤解だ と言い訳をしました。ヘーラはその白い牡牛を預かり、百の目を持つ眠らないアルゴスに、ミュケナイの森のオリーブの木に白い牡牛を繋ぎ、見張らせま した。ゼウスはヘルメスにイオを助けるように命じますが、ヒエラクスがしゃべってしまい、葦笛を吹いてアルゴスを眠らせ、首を切って殺し、イオを解 放しました。しかし、ヘーラは恐ろしい虻を放ち、イオは追われるようにアドニア海からイオニア海、今のイスタンブールにあるトラキア海峡が後に「牡 牛の渡渉」と言う意味のボルボラス海峡と呼ばれるようになり、最後にエジプトました。そして、人間に戻れたそうです。 殺されたアルゴスの百の目を、ヘーラが飼っていたクジャクに移して、尾羽根に目の模様が付いたそうです。 |
撮影日:2014年05月24日 19h32m49s 望遠鏡:セレストロンC-14EXPT カメラ:セレストロン Skyris 618C フィルター:バーダー IRカット+コントラストブースター 露出:L:1/250秒×3000中500フレームスタック 撮影地:奈良県大塔町龍神天体観測所第二観測所 |
水星 | 軌道平均半径 | 公転周期 | 最大視直径 | 赤道直径 |
Mercury | 5791万km | 87日23.3時間 | 12.9″ | 4879km |
体積 1=地球 | 質量 1=地球 | 衛星の数 | 自転周期 | 平均密度 |
0.0562 | 0.05527 | 0 | 58日15.5時間 | 5.43g/cm3 |